それから私とオキタンは教室に戻ることにした。



「あ、そうでィ。アンタ知らないようなんで言っときまさァ」

「何を?」

「坂田、彼女と別れたんでィ」

「え?」

「先週ぐらいに別れたって聞きやした」



私は自分がわからなかった。それを聞いて何を思ったのかといわれたら、別に何も思わなかった。ただ、あぁそうなんだって、ただそれだけを思った。



「嬉しくないんですかィ?」

「なんだろ・・・。別に嬉しいとかそうじゃなくて、なんだろ・・・。何にも・・・感じてないのかな・・・・。あぁそうなんだって思った」



オキタンはそれ以上特に何も言わなかったし聞かなかった。
教室の扉を開けて入ると、それをすぐに銀時は見つけて私たちのところへ来ようしたのか、席を立ったがすぐにチャイムが鳴って銀時は席に戻った。
私は自分の席に座って、ちらりと銀時を見た。すると目が合った。だけどすぐに銀時がバツが悪そうに目を逸らした。
なによ。なんだってのよ。なんで私には何にも言ってこないのかな。金曜日に会ったあの時、多分もう別れてたんだろうな。だけど何も言ってこなかった。わからない。わかるわけない。わかったところで、私はどうすればいいのかわからないし・・・。
授業は気がつけば寝ていた。チャイムの音が微かに聞こえて、起立、礼って声が遠くで聞こえた。一番後ろの席だから多分バレてないだろうと、私は動かずにいた。先生が出て行ったぐらいに起きようと思い、私はまだ机に突っ伏したままでいた。そんな時に銀時の声が聞こえて、私は銀時がどこかへいくまで突っ伏していようと決めたのだった。



「なぁ沖田。さっきのなんだよ」

「なんの話ですかィ?」

「UFOだとか言って、を連れ出しただろうが。アレだよ」

「別に深い意味はないでさァ。ただちょっと、が可哀想だと思っただけでィ」

「時々思ってたんだけど、お前ってさ、のこと好きなのか?」

「・・・」



なんで黙るのよ、オキタン!



「はぁ〜・・・」



なんでため息なのよ、オキタン!



「なんだよ。ため息つきやがって」

「おれァのこと好きじゃありやせんよ。ただアイツはアホだからほっとけないだけでさァ。そこに恋愛感情はありやせん。むしろ、アホ犬の面倒見てるような感じでィ。好きなのは、自分のほうじゃないんですかィ?」

「うっせ!」

「あ、あと別れたこと言っておきやした」

「なっ・・お前・・・。まぁいいか。事実だし、どうせいつか知ることだし」

「なんで黙ってたんでィ?」

「別に・・・まぁ・・・色々・・・・」

「じゃあおらァトイレに行きまさァ」



ガタガタと椅子の動く音がして、銀時の声も聞こえなくなった。私は顔を上げて、頬杖をついた。
色んなことを考える。銀時は私を好きなのか?だけど猿飛さんと付き合ってたじゃない。それより前にアイツは私に好きだのなんだの言ってきて、それじゃあなんなんだ?あぁほら、わかんない。







銀時の声がする。私は目だけをチラっと銀時に向ける。



「何?」

「なんだよ、なんか怒ってんの?」

「別に怒っとりませーん」

「俺さ、猿飛と別れた」

「うん、聞いた」

「うん、だからまた一緒に昼飯食ってくれ」

「・・・」



きっとそれに大した意味はない。私の中ではない。銀時の中ではあるのかな。だけどね、前みたいに銀時と一緒にいれるんだって思ったら、それはそれで嬉しいことなんだよ。またしょーもないこといっぱい話せるって思ったら、楽しみなんだよ。



「仕方ないなぁ。ちゃんが傷心の銀時くんを慰めてあげようじゃないか。あとで1000円払ってね」

「意味わかんねぇよ!」



またあの日々が帰ってくる。それでいいんだ。私と銀時は友達なんだ。それで私は満足なんだ。







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   第1章終わりです。
   第2章は3人称でお送りします。ご注意ください。