目が覚めた。横には名前も思い出せない女がいた。いつからだろうか。そんな女とでも簡単に寝るようになったのは。
ここはどこだ?俺の部屋・・・・ではないな。多分この女の部屋でもない。てか、確実に・・・・ラブホ。



「あれぇ?朝ぁ?」



女が目を覚ました。



「金、置いとくから」

「え?」

「サヨナラ」



俺は女を置いてホテルを出た。ホテルから出れば朝日が眩しくて目を細めた。太陽が雲に隠れた。俺は目を細めることを止め、天を仰いだ。

空はいつからこんなに狭くなったのだろう。

都会の空はそう思わせる。田舎育ちの俺は特にそうなのかもしれない。いい加減見慣れたはずなのに、どうしてだろうか。
高校卒業と同時に上京した。元々大学に行く気は無かった。というよりはそんな頭ではなかった。
幸運にもすぐに仕事が見つかって、その仕事をこなしていた。けれど色々あって上司を殴ってしまった。そしてクビ。社会を知らない19歳の若僧のしたことだった。
それからフリーターとして適当に生きてる。夢も希望も目標もなく、ここに来た目的も忘れて、社会のゴミと言われるような生活をしていた。

21歳。ただ漠然と生きている。今日死んでも俺は何も後悔しないだろう。そんな権利、俺には無い。頑張ることを止めた人間が後悔するのはおかしなことだ。あぁ、だけど・・・だけど・・・・・ただ一つ。後悔する。



「ただいま」

「・・・朝帰りとはいいご身分だな」

「男同士でやるか?」

「気持ち悪いことを言うな」

「ハハ。冗談に決まってっだろ。女のほうが気持ち良い」



桂は呆れた顔をしてため息をついた。俺はそれを見ないフリをした。
桂と俺は一緒に上京した。元々は別に住んでいたが、俺が会社をクビになって、そしてここへ転がり込んだ。桂はあまり快くは受け入れてくれなかったが、俺にここにいてもいいと言った。すっかり社会人になった桂は、妙に大きく見えた。そして自分が小さく思えた。



「俺、もう行くから」

「いってらっしゃい」



慌ただしく桂は家を出ていった。今日はバイトが休み。することもなく、テレビをみていた。だけど何を見てたかなんか覚えていない。俺は夢をみていた。高校時代。苦しいこととか悲しいこととかばっかりだったかもしれない。だけど、あの頃ほど生きていると実感したことはなかった。高校卒業と同時に人生が終わっていれば良かった。






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   またなんかはじめました。
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