好きになったら負け決定

















「好きです!!付き合って下さい」


全神経をその言葉を言うために使った。



























I lose if I love you.




























夢のようだ。もしかしたら夢かもしれない。頬をつねってみようか。いや、頭を角にぶつけてみたほうがいいかもしれない。それぐらいしなければ!!


「ったぁぁぁあああっ!!」


頭を角にぶつける必要などなかった。足の小指を角にぶつけた。


「夢・・・じゃ・・・ない」


痛さで床に転げて手をあげながらそう言った私は、なんと滑稽だっただろう。
けれど、世界は素敵だ。人生万歳。







「焼きそばパン買ってきてくだせィ」

「はい!!」


楽しい。人生って素晴らしい。好きな人と付き合えるなんてきっと夢だとばかり思っていた。それが現実なんだ。
沖田くんは独特な空気をもっていた。私はそれに惹かれた。もう好きで好きで妄想を繰り返した。告白のシミュレーションも何度も繰り返した。時に変な方向へ走りもしたが、結果オーライ。幸せがここにある。
付き合って今日で5日。昼ご飯は一緒に食べる。ていうか沖田くんのを毎日買いに行く。
・・・・・ん?ちょっとまて。


「間違ってない?」

「あぁ本当でィ。これコロッケパンじゃねぇですかィ」

「いや、そうじゃなくて・・・」

「間違えたから金払わねェ」

「あの・・・・私は・・・」

「あ、英語の宿題やってねェや。お前やってる?」

「へ?あ・・・うん」

「写しといて下せィ」


彼は間違って買ってしまったコロッケパンを食べ出した。私は差し出されたノートに自分のノートに書かれたことを写した。
違う。何かおかしい。これは彼氏と彼女の関係か?私単なるパシリじゃね?
私の妄想ではこう、あーんとかしちゃって、周りからヒューなんて言われて、止めようって沖田くんは照れるくせに、帰り道で「さっきは恥ずかったんだ。これお詫び」と言って私にキスをするのだ。その後2人は自由。世間の目など何も気にしない。
嗚呼、素敵。


「手ェ止まってますぜ」

「あぁ、はい。すみません」


間違ってないか?絶対間違ってりゅ。あ、噛んだ。いや、噛んだことは問題ではない。問題なのは私たちの関係だ。沖田くんは私を・・・・好きなのか?
そういえば考えてなかった。ただひたすらに嬉しくて、ただ浮かれていた。私を好きだから付き合ってくれてるんだと思ってた。別に好きじゃなくて、ただいいように使うためかもしれない。
だけどそうは思いたくない。だって好きだから。好きな人をそういう風に思いたくはない。


「出来た。はい、沖田くん」

「どうもでさァ」


変なことを考えてはダメだ。そればかり考えてしまう。捕らわれてしまう。その考えに。
そうは思ってもやっぱり考えてしまった。一緒に帰りもしない付き合いたてのカップルってどうよ?大してクラスでもしゃべんないじゃない。昼にただパシられてるだけじゃない。
だけどそれでも、私は嬉しい。沖田くんと付き合ってるということが。私の一方的なモノだとしても。





呼び方は変わらない。放課後に呼ばれるのは初めてだ。


「何?」

「一緒に帰りやせんか」

「本当!?帰る。帰ります!!」


沖田くんはふっと笑った。


「なんだ元気じゃねェか」

「え?」

「無いんでもありやせん。さっさと帰りまさァ」


さっき沖田くんはなんて言った?ハッキリと聞こえなかった。気になるのに、聞けない。だけど聞かなきゃ始まらない。


「さっき、なんか言ってたね」

「あ?あぁ、なんか元気ないと思ってたんでィ」

「・・・心配?私のこと」

「愚問でさァ」

「愚問って言うけど、沖田くんは私のこと好きじゃないんだと思うの。パシリみたいなことばっかりさせられるから」


クスクスと沖田くんが笑い出した。どうしていいのかわからなくて、私は沖田くんが笑い止るを待っていた。
しばらく笑い、落ち着くと私に言った。


が俺のことすげー好きそうだからつい面白くなったんでィ。好きな奴の命令って誰でも聞きやすから」

「何それ!?ヒドい」


沖田くんは笑った。私はなんだか不甲斐ないなかったけれど、沖田くんが私をと呼んだ。それで結構幸せだ。
もしかして私って、意外と簡単な女?単純思考?


「あと、俺は好きでもねぇ奴とは付き合いやせんから」

「え?」


沖田くんはなんと言ってくれた?誰か録画してなかった?誰か巻き戻せ。時間を。


「あ、筆箱忘れた。取って来てくだせィ」

「え?」


学校からそれなりに離れた場所だというのに。明日も学校来るんだからいいんじゃないの?
私がそう思っているのを悟ったかのように沖田くんは言った。


「別れやすか?」

「行ってきます!!」


私は幸せだから、まぁいいことに・・・・しておこう。

さぁ学校に沖田くんの筆箱を取りに行こう!!





好きになったら負け決定







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   純粋で天然ボケで妄想癖な子。をイメージしました。
   沖田はシャイでSのWSなんですね。←誰だよ
    20070814