|
君に出会ったのが運命なら、別れもまた、運命なのだろう。 「副長、来てますぜ」 「あぁ、今行く」 付き合って数ヶ月の彼女。向こうが俺をとても好きでいてくれているのがとても伝わってくる相手。そして俺も、ずっと一緒にいられたらと思うほど彼女が好きだった。 「」 名前を呼ぶと嬉しそうに笑って俺をみる。 「どうした。なんかあったか?」 「ううん、ちょっと近くに来たから」 嬉しそうには笑った。その笑顔が俺の心を締め付ける。 「じゃあ、俺仕事だから」 「うん、また」 また。それはいつまで続くんだろう。早く終わらしたほうが、きっと別れは辛くない。 「副長ツラーい」 「総悟、早く仕事しろ」 いつかいつかと思っていた。早く早くと焦っている。 「あの人、だったか。どうすんだトシ」 近藤さんは人の色恋沙汰にはよく首を突っ込む。少し、遠慮を知ってくれ。 「どうするって何をですか?」 「いや、あの子江戸を離れるんだろ?」 「そうです」 「別にあの子と一緒に行ってもいいんだぞ」 「俺は此処を離れるつもりはありません。もう会うのも止める」 「・・・・・なぁトシ。相手の為を思って自分を傷つけても、それは本当にお前だけが傷付くだけで終わるのか?相手は本当に何も傷つかないのか?」 「多少の傷は仕方ない」 俺が悪い。そしてあいつも悪い。いつ死ぬかわからない命なんて好きになるから。常に死のまとわりつく俺なんかを。 俺も悪い。それをわかっていて君を好きになってしまったから。 だから丁度いいと思うんだ。お前が何処かに行く。それを理由にして別れる。納得がいく。あいつは幸せになれるはずだ。 サヨナラをしよう。互いの未来のために。 * 「待ったか?」 「ううん、大丈夫。仕事いいの?」 「総悟が楽しそうに副長代理をやってる」 は楽しそうに笑った。 サヨナラを君にしなければならない。息を吸い込んで、声を出す。 「もう俺たち会わないようにしよう」 「え?」 驚いた顔を俺に向ける。言葉を続けなければいけない。沈黙には耐えられない。 「俺は此処から離れるつもりはないんだ。仲間のほうが・・・・大切・・・なんだ」 嘘も方便だと自分に言い聞かす。仕方が無いんだ。仕方が無いんだ。シカタガナインダ―――― 。 「・・・そっか。私は・・・トシのこと・・・大好きだった」 泣かないでくれ。違うんだ。ただ俺は、君の、の幸せを、ただそれだけを願ってるんだ。だけど俺じゃ、きっとダメなんだよ。 「俺はいつ死ぬかわからない。そんな身でお前を幸せには出来ない。ごめん」 「あなたがいてくれるだけで、私は幸せなのに・・・・」 そう言って彼女は立ち去った。 いつも俺はわからない。自分が傷つけばすべて丸く収まるんだと思っていた。の幸せはそこにあるんだと信じていた。 俺はただ、自分の辛さを取り除くことしか考えなかったんだ。 の幸せを考えてるなんて、きっと大嘘だった。 君のために1秒でも長く生きよう。君のために1日でも多く明日をみよう。 たとえそれを君がみていてくれなくても。 |
|
------------------------------------ 企画『SEVEN STARS』に献上。 予想外に短くなってしまった。 20070812 |