アンドロイド―――― 人造人間





















安全性の保障、数多くの規約の元、アンドロイド製造が一つの企業のみ許された。
人間との区別が出来ないほどの精巧さ。馬鹿げた金額にも関わらず、裕福な人々はそれを購入していた。
しかしその実体は別なるもの。アンドロイドであって、アンドロイドでない。
誰も知らない。誰も人に言わない。
何故ならそれが、契約だからだ。



万事屋では実に重い空気が流れていた。銀時は入り口正面に有る椅子に座り、足を机に乗せ、手を頭の後ろにしてボーっとしていた。神楽はもう一時間も同じ酢昆布を加えたままだ。新八は口を半開きで天井を眺めていた。
すべて同じ理由によって作られた現状である。真選組副長、土方十四郎の殉職。彼ら3人も現場に居合わせたのだった。
守る事が出来たのではないだろうか。どうして何も出来なかったのだろうか。
残された者はいつも罪悪感に苛まれる。それがこの万事屋に重い空気をもたらしていたのだった。



「土方さんの葬儀は無いんですかね」



沈黙を新八がふと破った。



「新八、余計な心配しなくていいアルよ。どうせ呼ばれてないだけアル」

「そうだそうだ。俺らなんかをわざわざ呼ぶか。それに行ったとしても男だらけでムサいだけだ」

「だけど・・・・」

「気にし過ぎだ。そろそろ仕事すっぞ。ほら客だ」



店の扉が音を立てて開き、厳つい顔をした男が2人入ってきた。



(んだこいつら。帯刀してやがる。幕府の奴らか?)


「いらっしゃい。何の要件ですか?」



無愛想に銀時が言った。
2人は紙を取り出し、3人の顔を確認すると入り口の前に立ったまま話し出した。



「先日、殺人集団鎌鼬と接触し、その際に真選組と関わったか?」

「座って話しましょうや。ほら、テメーら椅子空けろ」



神楽と新八はソファーから退いた。幕府の者と思われる者は顔を見合わせてから座った。



「先ほどの質問だが・・・」

「ああ、確かにそうだ。接触っていうのは納得いかねぇけどな。撃退と言って頂きたい」

「真選組副長、土方十四郎の死を知っていると考えて間違いはないか?」

「間違いはねェな」

「その事を他言しないでほしい。この紙にサインしろ」

「モノを頼む態度がなってねェな」

「早くサインを」



銀時は大きなため息をついた。










「沖田さん、局長知りませんか?」



縁側で爪を切る沖田に山崎が聞いた。



「上に呼ばれてまさァ。もうすぐ帰るんじゃねェですかィ?」

「沖田さんちょっと手伝って貰えませんか」

「?」



門に真選組屯所とかかれた看板を沖田が支え、山崎は釘を打っていた。



「いつから無かったんでェ?」

「副長が亡くなった次の日ぐらいに、はぎ取られて無くなってたんです。良いのがやっと書けたんで、そろそろ付けようと思いまして」

「土方さんが冥土の土産に持ってったか」

「ですかね」



トントンという音が響く。「うっせーな、何してんだ」とタバコをくわえながら人が現れるんじゃないかと期待をしてみても、するだけ無駄な話。



「看板つけたのか」



ちょうど付け終わった時に近藤が帰ってきた。



「あ、局・・・・・長・・・・・」



山崎はふと言葉を失った。



「・・・・・・近藤さん。なんですかィ?俺は頭がやられちまったんですかィ?」



目の前に広がる光景を容易く受け入れることは出来なかった。沖田も山崎も、夢だと思った。悪い夢なのか良い夢なのかわからない。



「山崎、みんなをいつもの部屋に集めろ。話がある」

「あ、はい・・・」



山崎は走って屯所の中に入って行った。



「近藤さん・・・・」

「お前も早く行け」

「説明してください」

「みんなにする。だから早く行け」



一瞬近藤を睨み、そして沖田は屯所の中に姿を消した。



「トシ、パトロールに行ってろ」

「はい」



たまにわからなくなる。

夢の途中でまた夢を見て、夢から覚めても夢の中だったりする。

現実の中に紛れ込んだ夢なのだろうか。


近藤の後ろに土方十四郎がいることは。










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   始めちゃったよ、この野郎。
   更新は超遅いです。悪しからず・・・。