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いつも朝礼が行われる部屋に真選組全員が集まっていた。そしてみな、前に立つ近藤をじっとみていた。 特に沖田と山崎は、先ほど見た光景についての説明だとわかっていたので、ひと際鋭い目をしていた。 「トシは死んだ。それは真実だ。だけど・・・蘇った。正しく言えば、アンドロイド。人造人間だ。幕府が金を払い、トシを蘇らせた」 淡々と近藤が言ってのけた。部屋がざわつく中で沖田が声を出す。 「どういう理由で幕府が金を出したんですかィ?」 ざわつきがなくなり、沖田の質問に対する答えを皆が待っていた。 「幕府は最近、新たな政策をとるべく準備をしている。その最中に幕府の管理下にある組織から死者が出ることは、耐え難いこと。死を消すためにトシは・・・」 近藤の言葉が途切れる。深呼吸をしてから、また話し出した。 「トシはトシであってトシでない。人間関係とかはデータとして入っている。といっても、最低限のデータで、精々真選組のことぐらいだ。あまり、いらん知識を植えつけないように」 「植えつけられるんですかィ?」 「言ってしまえば赤ん坊のようなモノだ。知らないことを知ろうとするだろう」 誰ももう、何も言わなかった。なんだか妙に寂しい空気が流れていた。誰も土方が蘇ったことを喜んでいる様子は無かった。 * 「銀ちゃん、いいアルカ?」 前を歩く銀時を追いながら神楽が聞く。 「そうですよ銀さん。幕府に何されるかわかりませんよ」 神楽の横で神楽と同じように銀時を追いながら新八。 「まぁいいんじゃね。それより、裏を探さなきゃな。なんで土方の死を隠したがるのか」 ふと、銀時の足が止まった。 「銀さん?」 そう言って新八は前を覗いた。その真似をするかのように、神楽も前を覗いた。 「「え!?」」 新八と神楽が声をそろえて言った。 「テメェ・・・誰だ?」 銀時が自分の前に立つ人に言葉を向けた。 「あぁ?真選組副長、土方十四郎だ。テメェは・・・・・データにあるな。万事屋だな。詳しくはわかんねぇけど」 「データ?」 銀時は何のことかわからず、オウム返しに聞いた。 「お前らと関わってるヒマはねぇ」 そういうと土方は銀時たちの横を通って行ってしまった。 「幕府が来た理由ねぇ・・・・」 去っていく土方をチラリと覗くようにして見ながら、銀時がつぶやいた。 「あれ、多分・・・」 新八が口を挟む。 「あぁ、アンドロイドだろう。最近巷で流行ってる」 「あの幕府が持ってきた紙に、サイン、しといたほうが良かったんじゃないですか?」 心配そうに新八は銀時に尋ねた。銀時は少しだけ困ったような、そして笑ったような顔をして 「後の祭りだ」 とだけ言った。 「ちょいと、屯所に行ってみるか」 銀時はそう言い、足を屯所のほうへと進めた。新八も神楽も、何も言わずに付いていった。 知りたいことは、いつもどこかに隠されている。 見つけたとしてもウソかもしれない。 ただ知らなければならない。 なぜ、土方十四郎がいるのか。 死んだ人間が生き返るなど、きっとあってはならないことだ。 人の死を知っている銀時は、そんな思いをひっそりと抱いていたのだった。 |