何日かが淡々と中身無く過ぎていった。仮友達とお昼ご飯を食べるのはやめて、神楽たちと食べるようになった。別に同じ空間にいてもいいやと思うようになった。

またその日は委員会があって、教室にカバンを取りに戻ったらデジャヴみたいな景色があった。



「おう、お疲れ」

「お・・・おう。疲れた・・・ぜ」



繰り返された同じ言葉。



「な・・・何してんの?猿飛さんと一緒に帰んなくていいの?ダメじゃないか!おっぺけぺー!!」

「ああ・・・あいつ今日休みだから」

「あ、そうなんだ。なんか・・用事?」

「ん?いや・・・なんか久しぶりに話したいなぁと思って。お前のアホを聞きたくなったからさ」

「アホてなんですか。失礼な奴」

「ハハハ。お前がアホじゃなかったら世の中みんな天才になるぞ」

「ま・・・まろは怒ったでおじゃる!!」



私は銀時に蹴りを入れた。だけど全然効いてない。「おっと」と言って銀時は笑った。



「帰ろうぜ」



そう言って銀時は私に私のカバンを差し出した。



「彼女いる人とは一緒に帰んないよ」



カバンを受け取りながら私は言った。笑ってた銀時はなんだか寂しい笑顔を私に向けた。



「そう・・・だな。んじゃげた箱までだな」



久しぶりに横に銀時がいる。懐かしい。あの頃がすごく遠くに感じる。私は思った。あの頃に戻りたいと。何も気にせず銀時としゃべって笑っていたいと思った。げた箱までの短い間に色々話した。



「じゃあな」



げた箱まで来て、銀時がそう言った。



「ねぇ・・・本当に用事ってなに?」



私は少し気になっていた。



「え?そうだな・・・。うん、話したかったんだ。それだけじゃないけど、お前としゃべったらどうでもよくなった。あ、俺もうすぐ誕生日だから。じゃあな」



また今みたいに話せる日は来るのかな。今の私たちは単なるクラスメイトでしかないのかな。友達に戻りたいとかいうのは、やっぱりわがままかな。



「なにしてるんですかィ?」

「あぁオキタン。そっか、風紀委員だったっけ?」

「そうでさァ。・・・あれ、坂田じゃねぇですかィ?」



オキタンは少し先にいる人を見て言った。



「そうだよ。さっきまで一緒だったんだ」

「一緒に帰らねぇんでェ?」

「彼女いる人と一緒に帰んないよ」

「・・・坂田、なんか言ってやしたか?」

「何を?」

「別に何も言ってない?」

「うん、なんか話がしたかったとか言ってただけ」



それからオキタンは特に何も言わなかった。



「じゃあオキタン、一緒に帰ろう!!」

「なんででさァ」

「細かいことを気にするなんて男らしくないでござるよ」



オキタンはあからさまに大きなため息をついた。だけどなんだかんだ言って一緒に帰ってくれた。



「オキタンってなんだかんだ言って良い人だよねぇ」

「アンタに言われても嬉しくねぇでさァ」

「アンタ失礼だわね。てかさ、銀時とオキタンって仲良いの?」

「?」



オキタンが不思議そうな顔をしたので私は説明を付け加えた。



「さっきも銀時のことなんか気にしてたし、意外としゃべってるから」

「中学が同じだったからでェ」

「へぇ・・・多いの?同じ中学の人」

「まぁ結構いるんじゃねぇですかィ」

「いいなぁ。あたしさ、引っ越すこと決まってたからこっちの高校受けたんだ。だから誰も知ってる人いなくてさ」

「へぇ…」



オキタンは興味があるのかないのかわからない答えを返した。そんなオキタンをよそに私は構わず続けた。



「だからさ、最初は友達いなかったんだ」



あ、思い出した。そうだ。



「だけど前の席だった銀時が話しかけてくれて」



そう、そうだった。なぜだろう。今まで忘れてた。あまりにも当たり前になりすぎて。



「高校で初めての友達が銀時だった」



だからいつも一緒にいた。移動教室だって、お昼だって、銀時がいたから1人じゃなかった。



「私にとって銀時は・・・」

「・・・銀時は?」

「・・・大切なんだ」



私はなんだか恥ずかしくなってきた。オキタンを見たらなにやら満足そうに笑ってた。



「な・・・なに笑ってんのよ!!」

「別に、なんでもねぇでさァ」



日が暮れていく。なぜだか銀時の「じゃあな」が聞こえた気がした。







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   オキタンってあだ名が気に入ってる
   そんなワタクシ船松です。