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「おう。ジャンプ買ったか?」 月曜日の朝、げた箱で銀時が話しかけてきた。それはそれは驚いた。最近は会っても挨拶ぐらいしかしなかったから。 私は不審そうな顔をして銀時を見た。 「なんだよ。変な目で人を見やがって」 「えと・・・なんか・・・・気持ち悪い」 「朝から気持ち悪いなんて言われる覚えはねぇけどな」 そう言ってサッサと行ってしまった。なんなんだろうか。なぜに話しかけてきたんだ?てか何?私が悪者?意味がわかりませんけれど・・・。 教室に行って席につく。ちゃっかりしっかり来る途中で買ったジャンプを読み出した。 「なんだ買ってんじゃん」 私は目だけを上の方にやった。前の席に銀時が座っているのがチラリと見えた。 「なに?」 ジャンプに目を戻して聞いた。 「ジャンプ貸して」 チラリと銀時を見る。奇妙にやたら笑顔だ。うん、気持ち悪い。 「自分で買えばいいでなくて?」 「金ねぇんだよ」 「私じゃなくて彼女に請えばいいんでなくて?」 なぜだか銀時は黙った。イスがガタガタといったので銀時は立ち去ったんだと理解した。なんなんだ。意味がわからない。 「アンタはジャンプを俺に渡したくな〜る」 私のデコに人差し指をつけて、まるで呪文のようにオキタンが言った。 「渡したくなるか」 「あれ?アホには利くはずでさァ」 「君はあっしをアホにし過ぎとるんちゃいまっか?」 ジャンプを机に置いてオキタンに顔を近づけて言ってやる。 「顔近すぎやせん?息がクセぇでィ」 「沖田」 誰かがそう呼んで私たちはそのほうを見た。うん、銀時だ。 「これ、借りてた漫画。ありがとな。んでお前らは何してんだ?」 にこやかに笑ってるつもりなのだろうが、おでこによく漫画でみる怒りマークが見える笑い方だった。 「何怒ってんの?」 私は思わず聞いてしまった。ちらりとオキタンをみると、オキタンは銀時を見てニヤニヤ笑っていた。なんだ?どうなってるんだ? 「別に怒ってねぇよ。イチイチうるせー女だな」 「あら、カッチーン!ちょっとワタクシ、ニンニン袋の屁が切れそうよ」 「堪忍袋の緒でさァ」 「そんな細かいことはこの際どうでもいいの!」 「いつもだろ」 「うるさい!銀時の分際でなんだってぇのよ!てか、なんなの!突然話しかけてきちゃってさ。気持ち悪いな!」 「気持ち悪いってなんだよ!銀ちゃんが寂しそうなちゃんに優しぃーくしてやってんだろ!」 「はぁ?寂しかねぇよ!彼女といちゃこいてるような奴に優しくされたかねぇーよぉだ!」 そういって私は銀時にむかってあっかんベーをした。そしてその時に銀時の顔を見て、私はわかったのだ。本当に怒ってるのは私だけで、銀時はただ私に合わせているだけなんだって。どこかしら優しそうな雰囲気が銀時から出ていて、私はとても惨めな気持ちになった。 「なんだよ、突然しゅんとしやがって」 「私に合わせなくていいよ。もう・・・いいよ。別に・・・そんなことしてほしいなんて思ってない」 「・・・?」 なんとも言えない。銀時と話がしたいと思ったよ。前みたいに話せたらどんなにいいだろうって思ったよ。だけどさ・・・だけど・・・。 「!UFOでィ!」 訳の分からないことをオキタンが突然言ったかと思うと、私の腕を掴んで廊下へと走り出した。唖然とした銀時がチラッとだけ見えて、私はよくわからないままオキタンに着いて行かざるを得なかった。 オキタンは私の腕を引っ張りながら走っていく。 「オ・・・オキタン!?」 そう私が言うと、オキタンはパッと腕を放した。廊下の隅に私たちはいた。 「あれ?UFOがみえたと思ったんですけどねェ・・・」 窓の外を見るオキタン。 「オキタン」 「あっちの空のほうでさァ」 窓の外を指差すオキタン。 「オキタン!」 私は叫んだ。そしてやっと、オキタンは私を見た。 「何?今の」 「・・・」 「言ってくんなきゃわかんないよ」 「俺はアホでさァ。なんだかお前が可哀想になったんでィ」 「私が・・・可哀想?」 「・・・坂田に振り回されて」 「・・・」 「確かにお前も坂田を振り回してまさァ。だけどお前はなんにもわかってない」 うん、そうだ。私、今銀時を振り回してるって言われたけどそんなこと全然思ってない。なんでそう思われてるのかわからない。 「坂田はわかってる。全部、アイツの都合でィ。よくわからないけど・・・同情でさァ」 オキタンは良い奴だ。本当にそう思う。 今さっき私を連れ出してくれてなかったら、私は銀時に何を言っただろう。自分に何を言っただろう。 「ありがとう、オキタン」 「うん、1ヶ月昼飯おごるってことでよろしく」 「ふざけんな!」 私は色んなことをきっとわかってないんだと思う。銀時の気持ちだって私には全然わかんない。オキタンはわかるのかな。どうして私はわからないんだろう。 ------------------------------------ 沖田くんが勝手に動きました←おい この先に影響が出なきゃいいけど←おい |