ある日のことだった。健康だけが取り柄のようなな桂が早退をして、二人で帰ることになった。



「あれ?小太郎は?」

「早退した」

「え?大丈夫なの?」

「大丈夫だろ」



は妙に心配していた。何か話さないといけないと思い、俺は言った。



「女友達いねぇのか?」

「いるよ」

「ならそいつと帰れよ」



なんとなく二人で帰るのは嫌だった。そして思わずそれを言ってしまった。



「こっちに帰る人いないんだ」

「あぁ・・・・そう」



ケロッとしては言った。大して俺の言葉を気にしていないようだった。



「だけど銀時が嫌なら、小太郎がいないときは別々に帰ろっか」

「え?」



思わず聞き返してしまった。



「ん?」



聞き返されて、俺は戸惑った。



「そ・・・そういう訳じゃなくて・・・なんつーか・・・・だから・・・」

「変なの」



はそう言って笑った。何かを言おうと焦っていた俺は、その焦りを忘れてしまった。



「・・・桂ん家行くか?」



電車を降りて去って行こうとするに声を掛けた。



「いいよ。しんどいのに気使わすの悪いから。ありがとう」

「・・・・



「は?」



俺はなぜ名前を言うのか意味がわからなかった。



「あたしは銀時って呼んでるでしょ?だから銀時もでいいよってこと」

「あ・・・・あぁ・・・・・・・・・」

「何?」



俺、何を言おうとして名前を呼んだんだろう。ただ・・・・呼びたかっただけ?・・・・気持ち悪っ。



「えっと・・・また・・・明日」

「うん、バイバイ。また明日」



夕陽に照らされたせい。まだ残暑がキツイせい。そうだろ?この妙な暑さは。顔が妙に熱いのは。






「んちはー」

「あら、銀ちゃん」



幼馴染みだから桂の母親とも顔見知り。



「見舞いに来ました」

「ありがとう。もう元気になってゲームしてるわ」



間取りを覚えてしまっている他人の家に上がり込み、居間でゲームをしている奴に声を掛ける。



「なんだ、まだそこか。もう全クリしたぞ」

「誰かと違ってずっとやってないからな」

「・・・・・」

「なんだ、突然黙って。気味が悪い」

「明日は来んのか?」

「あぁ、もう大丈夫だ」

「そうか。じゃ」



床を軋ませながら俺は桂の家を出た。

明日は桂がいる。と話をしなくて安心する自分と、なぜかどこかで桂を鬱陶しいと思う自分がいた。


次の日、俺は学校を休んだ。なんとなく行きたくなかった。そして俺は、なぜか考えてしまった。俺が休んで二人で帰った時、桂とは何を話しているんだろう。何を、二人は・・・・俺の知らない所で。

俺は何を気にしているんだろう。







next




------------------------------------
   考えすぎて深みにはまる。
   そんなことがよくあります。