2年になったという実感はほとんどなかった。そういうモノは別に不必要だけど。ただ周りが妙に将来というモノについて話していた気がする。
俺たちはクラスが一緒になってから、ほとんど三人で動いていた。だけど色んなところでは女友達といた。それでもやっぱり俺たち三人は、休み時間は一緒にいた。



「あの・・・・ずっと見てました。良かったら付き合って下さい」

「あっと・・・えと・・・・よく・・・ないので・・・付き合え・・・ない・・・」



ある日の昼休み。人気の無い場所にて。



「わかりました・・・」



なぜこんなに罪悪感が体を駆け巡るのだろう。ただ本当のことを言っただけなのに。



「見ーちゃった」

「!!」



建物の影からひょいっとが出てきた。そしてその後ろから桂が出てきた。



「モテるな、銀時」



嫌な笑いで桂が言う。



「おっ・・・おまえら・・・みっ・・・見て」

「たよ。寺門さん可愛いのに。性格もいいよ?」

「はぁ・・・」



付き合って言うのか?それを決めるのは俺だから、関係無いだろ。



「好きな奴でもいるのか?」

「は?」



桂からの思いがけない言葉に戸惑った。



「いるんだ?」



俺の顔を覗き込み、笑いながらが言ってきた。



「いねぇよ」



から顔をそらして俺は言う。



「ふーん、そうか」



桂がそう言った。



「教室戻ろう」



教室に戻り、また授業が始まる。先生が黒板に何かを書く。それを俺は見ているだけで、ノートに写さなかった。
ふと俺はに目をやった。ニ列隣りで俺の四つ前。そこには座っていた。
窓際の席。少し開いた窓から初夏の風が吹き、の髪を撫でた。猿みたいに見えた原因の一つの短い髪は、いつの間にかに伸びていた。猿じゃなくなった。いつからかわからないけど。
顔を上げたり下げたりを繰り返していた。俺とは違ってちゃんとノートをとっているらしい。
俺、なんだかんだでをみてないか?いつも心の何処かで探してないか?なんだか、そんな気がする。



『ずっとみてました』



ふと、さっき言われた言葉が頭を霞めた。
あれはどういう意味だ?ずっと誰かを見ていたら、それは好きってことなのか?それなら俺は・・・・俺・・・は・・・・。


自分の中に芽生えた感情に俺は少しずつ気づき始めた。気づいたら気にせずにはいられなくなる。

変わる。何かが静かに。けれど、音をたてながら。






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   寺門さん=お通ちゃん です。
   これからもひょいひょい出てきます。