目が覚めた。その日はクリスマスイヴだった。時計を見れば11時。
ん?待ち合わせは何時だった?多分・・・・11時・・・。
俺は慌ただしく起き上がり、そこら辺に散らかっている服を適当にとり、それを着た。ズボンのポケットに財布を突っ込み、駅へと走った。
電車に乗って待ち合わせ場所へ行く。家が近所じゃないっていうのは、なんだか不便だ。



「悪い。寝坊した」

「ううん、いいよ。・・・・」



黙って寺門は俺の上のほうを見ていた。



「あ・・・・あぁ・・・・髪、ぐちゃぐちゃでごめん。時間無くて・・・・それに元々天パだし・・・・」

「ううん、いいよ。行こっか」

「・・・何処に?」



寺門は不思議そうな顔を俺に向けた。



「え・・・もしかして・・・・俺が決めるんだった?」



寺門はクスクスと笑った。



「坂田くん、おもしろいね。大丈夫だよ。私、ちゃんと行きたい所あるから」



あぁそうか。俺、これが初デートか。なんもわかんねぇや。
寺門はデートに慣れているようだった。俺は適当に寺門についていくだけだった。



「疲れたね。ちょっとどこか座ろうか」



そういうと寺門は少し人通りの少ない公園に入って座った。俺は隣に座った。



「寒いね」

「あぁ・・・」



お前がここに座ったんだろうが。そんなこと言えるわけもなく、ただ思うだけ。

今頃、桂とは何をしてるんだろう。

俺はそんなことを考えていた。



「!!」



突然寺門が俺の手を触った。冷たい手だった。



「ねぇ・・・キスして」

「はぁ?」



何をこいつは言ってるんだ?



「付き合ってるんだよね、私たち」

「あ・・・あぁ・・・うん」



付き合うってそういうことなのか。

俺はゆっくりと寺門の顔に自分の顔を近付けた。

桂ともこんなことをするのだろうか。もう、したのか。
触れたのは唇だけなのか?

俺は何を考えているんだ。

だけど・・・・だけど・・・俺が触れたいと思うのは――――



「ごめん」



唇に触れる前に俺は言った。



「え?」

「ごめん・・・・好きじゃない・・・・・好きに・・・・なれない・・・」



脳裏に浮かぶの顔が消えない。寺門を見てるはずなのに、だったらいいのにと思って、知らない間にを見い出している。

なぁ、。なぁ、桂。今お前らはどこで何をしている?


俺はここで、何をしている?


寺門は泣きながら何処に行った。俺はその跡を追おうとは思わなかった。







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   純情な感情。
   それも消えていくのか。