冷たい風が突き刺さる。ここは何処だろう。適当について行ったからわからない。
人が多くて酔いそうになる。そんな都会が目の前に広がっていた。
こんなに遠くに来たのか?いつの間に?
携帯を持っていない俺は途方にくれた。何をどうしたらいい?帰るにはいくらいる?財布の中には綺麗な500円玉が一つ、キラキラと光にあたって光っていた。
腹が減った。だけど・・・・。
どうしようもない。適当に電車に乗ろう。確か財布には1500円入っていた。そのうち500円は昼代。だから多分、500円で帰れる。
500円で行ける駅を調べてみたら、2個あった。勘で選び、釣りの40円を握りしめた。
電車は俺を運んだ。見覚えのない景色へと。降り立った場所は海が広がっていた。
俺の町は山。逆方向。間違えた。
クリスマスの海辺は誰もおらず、さっきよりも冷たい風が吹いていた。
何をしてるんだ、俺は。何が嬉しくて、浜辺に独りで座ってんだよ。



「何しとる?」



知らない人が声をかけてきた。



「今日はクリスマスっちゅーやつやろ?」

「僕、キリスト教じゃないんで」

「女にフラれたか?」

「フリました」

「いっちょまえの男やな。なんか食わしたろ」

「は?」



そのおっさんは笑って言った。



「お前、さっきから腹がなっとる」



なぜこんなことになったのかわからない。まぁ、いいか。飯は美味い。



「美味いか?」

「はい、とても」



食い終わっておじさんにありがとうを告げた。
公衆電話を見つけ、俺はどうしようもないので桂を呼ぶことにした。



「はい」

「あれ?桂?今日はクリスマスだぞ。なんで家にいんだ?」

「銀時?」

「ザッツライト」

「お前は何してるんだ?寺門は?」

「別れた」

「・・・どういう意味で?」

「フッた」

「はぁ?」



桂の声がデカくて、耳がキーンとした。



「お前、まだ一ヶ月も経ってないだろ」

「桂くんは純粋だな。最近の若者なんてそんなモンだよ」

「あぁそう。んで、なんだ?」



嫌そうな声。



「変なところ来てさ、意味わからないから迎えに来て。金ももう無い」



ため息が聞こえた。



「・・・・何処だよ」

「わかんねぇ」

「お前なぁ・・・。なんか目印になりそうなモノないのか」

「海・・・・」

「海?」

「・・・あぁ・・・・・海が見える」



水平線に太陽が沈んでいく。光が消えていく。闇が広がり始める。

まるでそれは俺のようだった。

闇が広がっていく。






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   『心は光と闇で出来ている』
   キングダムハーツからでした。