なんとなく。


そう自分や桂やに言い聞かせた。
一緒に登下校をしなくなった理由がそれだった。
俺は二人と距離をおいていた。桂しかいないと思っていた友達はそうではなかった。



「銀時、今日ヒマか?」

「あぁ、大丈夫」



高杉。劣等生という言葉がよく似合う奴だ。
けれども大人びていて、劣等生なのに優等生だった。成績優秀。家は金持ち。
俺と高杉はわざわざ都会に出向いていた。理由は援交。男がしているのはあまり目立たないだけで、意外といるらしかった。



「確かここらで待ち合わせのはず」



高杉は携帯をいじりながら言った。



「こんにちは」



三十代であろう女の人が声をかけてきた。



「ミックさん?」



高杉が聞く。変な名前だと思った。



「そう」

「相手はコイツです。携帯とかパソコン持ってないんで俺が仲介やってて」

「そう。じゃあ行きましょうか」

「先に金くれない?」



歩きだそうとする女の人に俺は言った。



「逃げない?」

「逃げたことは無い。先払いの場合」



財布を取り出し、5人の諭吉を俺に差し出した。



「お世話になります」



俺はそう言った。

俺が援交をしている理由は金が欲しかったからだ。あの家を出て行くための金。それが欲しかった。
寺門とやってから俺はそういう行動とか行為に対して妙に軽くなった。
好きでもない女が初めてだったからかもしれない。
俺にとっては別になんてことないことだった。特別なことではなかった。









「どうだった?」



それぞれことを終え、待ち合わせの店で高杉が俺に聞いた。



「まだマシだったかな」

「俺最悪。処女だぜ?さらにデブときた。まぁ8万だったからいいけど」

「8万!?何回入れた?」

「一回。耐えれるかよ」

「だけど考えてみればおかしいよな。わざわざ8万も払って」

「お前ってさ、なんでこれやってんだ?」



突然の質問に俺は対して驚きもせず、淡々と答えてみせた。



「金がほしいからだよ。バイトなんてガラじゃねぇし、そこそこまとまった金が欲しくてさ」

「なんで?」

「・・・家、出たいんだ。そういうお前だってなんでだよ」

「汚れたいだけだ」



そうさらりと言ってのけた高杉を俺は遠くに感じた。



「かっこつけ」

「うるせー」



汚れたいだけ。
じゃあ俺も汚れるのか。自分で汚したのか。

高杉と別れ、暗い帰り道を独りで歩いた。家の前に誰かが座り込んでいた。気味が悪いと思いながらも俺は家に近づいた。
あぁ、こいつは―――



「何してんだ?」

「あっ、えっここ何処?あぁ銀時。そうだ!銀時」

「は?」



は寝ていたらしくボケていた。



「何してんだよ。こんな時間に」

「それはこっちの台詞」



時計の短い針は12を指していた。



「銀時さ、どうしたの?なんか・・・その・・・私は寂しい」



何をこいつは言うんだ。



「桂がいるじゃねぇか」

「・・・・」

「なんだよ。うっとしいな」

「ひどい」

「何が」



は俺から目を逸らした。



「ずっと一緒なんて無理なのかな。私と小太郎が付き合ってるから三人じゃいられないの?だって私は―――

「なら別れるのか?桂と。そういうことか?」

「違う・・・ことは・・・違わないか・・・わからない・・・・」

「もう帰れ」

「銀時、ごめんね」



なんの「ごめん」なのかわからない「ごめん」をは言った。

妙に心地の悪いまま俺はまた、明日を迎える準備をした。







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   僕らは嫌でも明日を迎える。