なんだかんだで3年になれて、また三人同じクラスだった。どうにも心地が悪かったけど、それを口に出すことは無かった。
俺は学校をサボり気味だった。将来を何にも考えていない俺は、別に高校を無事に卒業する必要もない。高校に行ったのは、なんでだったかな。理由はあったっけ?あったとしても、もう忘れてしまった。
高杉がいなくなって援交はやりづらくなったものの、それでも俺はやっていた。夜の街で相手を探した。探さなくとも、向こうからやってくることもあった。そうやって俺は自分の欲する未来のために頑張っていた。馬鹿みたいな頑張りだ。哀れで、情けなすぎて、泣けもしないし、笑えもしない。
その日は珍しく朝見た星占いが12位だったことを覚えていた。いつもはすぐに忘れるのに、なぜか覚えていた。気休めにみていて、当たろうが外れようがどうでもいいはずなのに。



「ねぇ、君、何してるの?」



今日はラッキーだ。早くから相手が決まるなんて。



「お姉さん、金払って俺とやりたいとか思う?」

「思うわ」

「いくら?」

「これでどう?」



指を三本立てる。



「もう一声」

「仕方無いわね、5万でいいかしら」

「どうもありがとうございます。サービスしますよ」



ホテルへ行こうと歩き出そうとした時、俺は思わず足が止まった。



「どうしたの?早く行きましょ」

「・・・・何してんだ、桂」



俺と相手の女の前には桂がいた。表情でわかる。静かな怒りが、彼の周りを満たしている。
嗚呼、星占いは12位だったな。



「あぁ・・・お姉さん、先に行っといて。ちょっと友達なんだ。俺に用事があるらしくって」

「そう。じゃあ後で」



女が立ち去ると、桂は俺の方に寄ってきた。



「何してんだ」



また俺は桂に聞く。



「何してんだだと?それはこっちの台詞だ。最近あんまり学校来てないから、心配して家に行ってみればいないって言われて。挙句、夜になったら外に出てるみたいだって。それで後を追ってきてみれば・・・・・。なんだよお前。どうしたんだよ!!」



嫌いだ。真面目な奴は。純粋で清純で汚れを知らない奴は。



「なんか言えよ!」

「何を言えばいいんだよ。何言ったって、仕方ないだろ。真実なんだからよ」

「せめて・・・せめて釈明しろよ。違うって!ちょっとした気の迷いだって」

「桂、人は変わるんだって、お前もわかってるだろ。いつまでも、同じ俺じゃない。全部事実だよ。受け入れろよ。こんなことぐらい」

「ぐらい?ぐらいなもんか・・・。なんでだよ・・・・どうして・・・・」

「失望したろ?だからもう、一緒は止めよう。嫌だろ、こんな奴と一緒にいるの」



桂の拳が俺の頬を殴った。



「目ぇ覚ませよ!」



怒鳴る桂。俺はそいつを睨んで、殴り返した。桂は地面に倒れた。



「現実見ろよ」



俺は桂に冷たい声でそう言った。
それから俺たちは殴りあった。すべての不満をぶつけるかのように。いつの間にか周りには野次馬が大勢いて、誰かが警察を呼んで、俺たちは警察に連れて行かれた。
警察から帰る道。俺たちは仲良く一緒に帰らなければならなかった。そう、家が近いから。



「ごめん」



桂が謝った。



「何を今さら・・・・」



それから黙ったままだった。桂の家が見えてきたころ、桂が口を開いた。



「銀時、俺はお前を見捨てたりしないからな。さっきのは、状況があまりに急すぎて受け入れられなかったんだ。俺にはわからない苦労を、きっとお前は持ってんだよな。嫌だとは思わない。お前と一緒にいることを。楽しいさ、お前をみてるのは。俺の知らない世界を知ってるから。これからも、よろしくな」

「・・・・・・今日は星占いが12位だった」

「は?」

「いや、やっぱり当たらないモンなんだと思っただけだ」



桂は不思議そうな顔をしながら家に消えた。俺は独りで残りを歩く。

どうしてだろうか。

なぜわからないのだろうか。

失うモノなど最初から無かった。

信じていれば、それは常にそこにある。




救われてばかりいる俺は、誰かを救えているのだろうか。











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   女はどうなったんだ!?
   名前変換が無くても気にしない。