月曜日の朝、俺はに電話をした。


「志波くん?どうしたの?」


「あのさ・・・今日の夜、会えないか?話があるんだ」


「大丈夫だよ。どこに何時?」


「・・・お前ん家に行く」


「え、そう?わかった、待ってるね」


ちゃんと言おう。俺の気持ちを。



今日はやけにあっさり夜になった。昼間がなかったんじゃないかと思えるほどだった。

電車に乗って、の家に行った。


「いらっしゃい。結構早かったね。もう少し遅いのかと思ってた」


グルリグルリと、頭の中で言葉が回る。これから、に言う言葉たちが。


「座ってて、お茶入れてくるから」


「・・・いい。いらない」


「そう?」


「・・・話しがある。座れ」


が俺の前に座った。俺は一つ、深呼吸をしてから話し出した。


「・・・色々、考えたんだ。俺たちはこのままでいいのかって。
たまにしか会えなくて、電話も俺が疲れてるからって、気遣ってくれて、短目で・・・。
そんなんで俺たちは、繋がってるのかって」


「・・・・?」


「俺の都合でお前を振り回して、お前だって色々したいはずなのに、いつも俺ばっかり見て・・・。
俺も、もっとしっかりと練習に打ち込みたい。もっと野球に真剣になりたい」


「志波くん?」


「・・・・・別れよう」


奇妙な静寂が訪れた。シンとしていて、相手の心臓の音が聞こえてきそうだ。


「・・・俺はプロになりたい」


「・・・その夢に・・・私は・・邪魔なんだね」


「違う!そうじゃ―――」


「わかった」


の言葉が、俺の言葉を遮った。


「わかった・・・。うん。別れよう。・・・・さよなら」


「・・・・悪い」


が下を向いて、唇をぎゅっと噛んでいた。俺は黙って出て行った。


これで良かったんだ。だって、きっと辛かったはずだ。こんな俺と付き合ってるなんて。本当に好きだった。

だけど、もう無理だ。俺が・・・お前を不幸にする・・・。お前の存在が、俺を苦しめる。






next